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奮闘記

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2007-02-14 バレンタインデーということで

_ 外食は冒険なんですよ

今日はバレンタインデーということで、妻と食事に出掛けた。日本ではバレンタインデーというと女性から男性にチョコをあげる日だが、こっちでは男性が女性に贈り物をする日ということで、今日は妻の好物であるシーフードのレストランに連れて行くことにしたのだ(といっても、妻は日本式のバレンタインということで手作りのマドレーヌをプレゼントしてくれた)。ちなみにカナダでは、バレンタインにはリムジンをチャーターして彼女を食事に連れて行くやつもいる。かっこつけるときは徹底的なんだな。まあ、日本人だってハレとケをわかっている民族だから、本来はそういうことが好きなはずなんだが。

今日はちょっと早めに研究室を出て、6時ちょっと前くらいにはレストランに着いていたのだが、店はすでに大勢の客でごった返していた。予約を取っていなかったことを少し後悔しつつ結局30分くらい待ったのだが、ここウォータールーにもこんなに混んでいるレストランがあるんだとわかって何だか嬉しくもあった(笑)。味の方も満足で、久々にいいところを見つけた感じだ。寿司なんかの場合、どうしてもネタのレベルは日本には適わないし種類も少ない。今日のレストランもシーフードだったので行く前は少し心配だったのだが、仲良くさせてもらっている日本人の方達に事前に評判を聞いて選んだ甲斐あって、今日の店はうまかった。前にペリメーターのクリスマスパーティーが開かれたステーキハウス以来のヒットか。まあ、そのステーキハウスは酒を飲まない僕ですら100ドル(日本円で1万くらい)近く掛かるところなので、うまくて当たり前かもしれないが。

それにしても、海外で暮らす人間にとって外食は冒険だと思う。最初の頃は言葉に慣れていないのが主な理由だが、言葉が話せるようになっても新しい店に行くときはちょっとした勇気がいる。海外旅行で経験している人が多いと思うが、海外の場合、まずい店はむちゃくちゃまずいからだ。日本国内でなら、いくらまずくても限界がある。まずいとはいえ、日本的な味付けではあるからだ。しかし海外だとそうはいかない。まずいくせにやたら量が多かったりするし、もう拷問である。そんなサービスいらないから質を上げてくれと思ってしまう。博士課程の頃ケンブリッジに行ったときに、試しに日本食のレストランに入って餃子を頼んでみたら、つけダレが酢醤油と見せ掛けて黒蜜だったことがある。カレーとは名ばかりの、味のしない黄色い液体が出てきたこともある。中華料理なら大丈夫だろうと思ってロンドンで入った店では、「焼豚炒飯」と書いてあるのに、普通に炊いた米の上にゆでた白菜を乗せ、その上に甘いタレの掛かった焼豚が乗っていたこともある。「これが焼豚炒飯か」と聞いたら、何のためらいもなく「そうだ」という答えが帰ってきた。おそらく、店の人は誰一人中華料理を知らなかったのだろう。今となってはいい思い出だが、その時は初の海外旅行で、しかもそれが国際会議で発表するためだったので、緊張しまくって胃を壊していたため、日本の飯がとても恋しかったのを覚えている。ロンドンで日本食材の店を見つけて、ぺヤングを買ってホテルで食ったっけ。500円くらいしたと思うが、涙が出るくらいうまかったな(笑)。

今は妻と来ているおかげで普段の食事には何の不自由もないが、とてもありがたいことだと思う。研究者だけでなく、一般に海外に単身赴任する人は精神的にキツくなって、帰国してしまったりすることも多いそうだ。日本語で喋れる時間があること、いつもの飯が食えること、これは本当に大事なのだ。明治時代なんかに、国から派遣されて海外で勉学に励んだ諸先輩方はきっと1人で来ていたのだと思うが、今のようにテレビもネットもない時代、しかも手紙なんかではそう頻繁にはやり取りも出来ないし、どれだけしんどい思いをしながら耐えたのだろうか。つくづく頭が下がる。


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