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奮闘記

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2006-11-24 求む、起伏

_ ちょっと飽きてきたなあ

このブログにはどちらかというと楽しいことや、面白い話を書いているのだが、もちろん毎日がそんな楽しいことばかりの連続であるわけはない。仕事での失敗や、海外に住む辛さもいろいろ味わう。たまにはそういうことも書きとめておこう。

最近僕が辛いのは、この町の「田舎さ加減」である。正確には「見所の無さ加減」とでもいうべきか。ウォータールーは隣のキッチナーと合わせて人口30万以上の市なのでそんなに小さい町ではないが、見所はほとんどない。都会でもなければ、歴史的な建物があるというわけでもない。何だかとても「普通」なのだ。治安はいいし、人も優しいから暮らしやすいのがいいところなのだが、退屈の解消は難しい。まあ、そんな町にあるからこそ、うちの研究所はアットホームな雰囲気で、メンバーが家族ぐるみで付き合えるのだが。ただ、友人達と語るといってもちょっと限界がある。僕ももう30過ぎだし、高校や大学の頃のように、友人と馬鹿話だけしていられればそれでいいという齢でもないのだ。ちなみに、これは何も僕だけが感じていることではないようで、ポスドクや院生達も「ペリメーターがオタワにあったらなあ」などと言っていた。僕の研究にとっていい面子がいるのは確かなので、僕としてもペリメーターがオタワとかモントリオールにあってくれたら言うことなしだ。と、ワガママを言ってみる(笑)

日本やヨーロッパでは大学は都市部に作ることが多いわけだが、北米では農学部が出発点だった大学が多いこともあって、土地の余っている田舎に作られた大学がたくさんある。おかげで我々は「研究に専念できていいね」などという「言い訳」を自分に言い聞かせながら過ごすことになる。僕は幸か不幸か、物理だけやっていられればいいという人間ではないので、正直退屈である。また時間を(無理矢理にでも)作って、観光に出かけなければなるまい。学生の「お勉強」には田舎はいいかもしれないが、新しい発想が必要な「研究」には、刺激、というか起伏が重要だと思うのだ。特に、感性を大事にする仕事にはなおさらである。科学に感性とは、妙な組み合わせに感じられるかもしれないが、次世代の科学には絶対必要になるはずなのだ(もちろん、これまでの科学の中にも、情緒溢れ、いい味出してる仕事というのはある)。誤解を恐れずに言い切れば、アメリカが牽引している状況を野放しにしていてはだめなのである。何でもパワーファイトになってしまう。カナダの冬は長い。早くも町はクリスマスの飾り付けがされていたが、それが終わってから3月くらいまで、イベントはないのだろうか・・・。

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2006-11-26 PI バンド

_ 俺、芸の幅狭いなあ

昨夜は PI Jam Night だった。と言ってもこれは好例の行事でもなんでもなく、誰が発起人なのかはわからないが、PI(ペリメーター研究所)のメンバーがバンドを組み、曲を披露するというもの。ドラムのシモーネを筆頭に、ギターがヨハネス、ベースがコンスタンティノス、キーボードがハンス、ボーカルにはアイーサというメンツ。と言ってもペリメーター関係者以外には何の情報にもなっていないが。それにしてもみんな芸達者だなあ。楽器がほとんど出来ない自分がとても悲しい。ピアノは5歳くらいから中学に入るくらいまでやっていたのだが、練習がいやでいやでいろんな言い訳をして休んでいたものだ。わざと学校の観察池に落ちて「今日はずぶ濡れなのでいけません」と言った記憶もある(何の言い訳にもなってない気もするが)。あの頃もっとやっておけばよかったとは思わないのだが、大学の学部時代とか、暇な時間があったときに趣味としてやっておけばよかった。大学院の頃、テレビ番組 Vermilion Pleasure Night で Mama!Milk の演奏を観て、コントラバスにひかれたこともあるのだが、結局何もやらずじまいだったなあ。高校時代に応援団だったので和太鼓は少々出来るが、カナダでは披露のしようもない(笑)。

PIバンドのメンバー以外にも何人かが飛び入りで演奏を披露していたが、10月からやってきたポスドクのビンセントがドラム・ピアノ・ギターのどれも演奏できるのにまた驚いた。彼は僕と同じ超弦理論の研究者だが、パーティーにも参加する数少ない超弦理論研究者の1人だ。再三再四書いているように超弦理論研究者はカタ過ぎるヤツが多く、さっと芸を披露するようなノリのいいヤツが少ないのだ。まあ、こんなことは何も超弦理論研究者ばかりでなく、日本人には一般的に言えることなのだろうけど。空気も読まずに芸を披露するおっさんや、鼻につくような披露の仕方をするかっこ悪い目立ちたがり屋はどこの世界にもたくさんいるが、何気なくかっこつけられるセンスのいい人間となるとそうはいない。是非そうなってみたいものだ。このことは何も人間関係の部分だけでなく、研究そのものに関しても重要だと僕は思う。カタいヤツは仕事でも面白いことなど出来ないからだ。かっこいいヤツは何をやってもかっこいいし、かっこ悪いヤツは何をやってもかっこ悪い。そう考えると、僕のように終始ふざけたことばかり考えている男にいろいろと任せれば、面白おかしくはなるだろう(笑)。そういえば昨日のパーティーにはハーバード大のスタッフであるハナニーさんも来ていたが、ハナニーさんはポスドクや院生連中に混じって踊りまくっていてちょっと感動した。こういうノリのいい弦理論屋がもっといた方がいい。僕は科学者はオタクではなく、エンターテイナーであるべきだと思っている。それでなければ求道者であるべきだ。人間的に面白みの無いやつに面白いことなんざ出来るわけがない。綺麗なものやすごいもの程度であれば、面白くないヤツにも作ることが出来る。汚いヤツが綺麗なものを生むこともあるし、変なヤツがすごいものを作ることもある。だが、面白いものだけは面白いヤツにしか作れないのだ。

バンドの演奏が終わった後は、イタリア人ポスドク・ミケーレがDJの技を披露してくれた。彼はハイエナジー好きなので、僕はかなり楽しめた。ハイエナジーとは僕の好きなユーロビートの母体となったジャンルである。ユーロビート=パラパラだと勘違いしている人は多いが、ユーロビートはもっと奥深く、パラパラとは関係なく素晴らしい楽曲は山ほどある。歌詞の幼稚さ・馬鹿さ加減はユーロの良さであり、むしろ愛すべきところなのだ。みうらじゅんならば「そこがいいんじゃない」と言ってくれるだろう。ミケーレはまたイベントをやりたいと言っていたので、そのときは僕も回させてもらうとしよう。

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