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奮闘記

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2006-10-02 ハロウィンが近づいてきました

_ 日本食でおもてなし(妻が)

この土曜日は、シドニーでスタッフのポジションを得たポスドクとその奥さん、そして2歳になる彼らの子供をうちに呼んで一緒に食事をした。彼らはロシア出身で、17歳ぐらいの頃にイスラエルに移住し、3年前にペリメーター研究所にやってきたそうだ。なので、彼らはロシア語、ヘブライ語、英語が話せる。奥さんは日本語もちょっとだけ勉強したことがあるらしく、少し話せるようだ。それにしても何ヶ国語も話せる人って本当にたくさんいるな。8ヶ国語話せるという人もいるのだが、何しろ僕がその言葉を知らないのでどのくらい話せているのか判断しようがない。

イタリア人、ポルトガル人、スペイン人の友達は「言語そのものが似ているから、特に互いの言葉を勉強しなくてもゆっくり話してもらえば何を言っているかわかる」とも言っていた。ラテン語から派生した方言なんだもんな。羨ましい話だ。

ポスドクの彼はキックボクシングをやっているので、その縁(?)で僕はこっちにきてすぐ仲良くなった。格闘技や武道をやってるやつも研究所には多い。ざっと数えただけで10人以上はいる。空手、柔道、合気道、キックボクシング、テコンドーなどなど。基本的に体を動かすのが好きな人が多いので、何かしらスポーツはやっているようだ。やはり物理はストレスが溜まるようだ(笑)。スポーツが嫌いだと断言していたのはミケーレくらいのものだ。その「我が道を行くっぷり」もいいな。僕のように、サッカーなんて何年もしたことないし、特に好きでもないのに誘われるままに参加してしまう、断れない日本人とは大違いだ。女性でもキックボクシングをやっている人が2人いるのだが、そのうちの1人が「私はストリートファイトが好き」と言っていた。あれは「ストリートファイターズが好き」の聞き間違いだろうか。「ホーリーランド」している女性はまだ見たことがないが、もし本当なら見てみたい気もちょっとする。ただし遠目から。

_ ハロウィンへ向けて

今月末はハロウィンということで、日曜にはカボチャ農園に行ってきた。キッチナー(ウォータールーの隣町。というかほとんど一体)にお住まいの日本人の方にお誘い頂いたのだ。着いてみて驚いた。カボチャでけえ。色も形も多様。と思ったら、この農園で売っていたのはカボチャだけでなく、いわゆる squash (瓜) 一般だった。gourd (瓢箪)も売っていた。食用のカボチャは2〜3種で、ほとんどがハロウィンの飾り用らしい。

僕らもカービング(ハロウィンのときに、カボチャにお化けの顔を彫るやつね)用にオレンジのカボチャをいくつかと、食べるために一番甘い種類のカボチャ(日本のものとたぶん同じ種類)を買った。僕らはマンションに住んでいるので子供達がハロウィンに家にやってくることは無いのだが、普通の住宅だと近所の子供達がまわってくるのだそうだ。僕はてっきりそんな風習は昔の話で現代っ子はやらないのだと思っていたのだが、今でもハロウィンは人気のある行事なのだそうだ。ペリメーターでもパーティーをやるらしい(またも!)が、そのときはみんな仮装するのだそうだ。僕もしないといけないんだろうか。

買って帰ったカボチャで妻が煮物を作ってくれたが、日本のカボチャと甘みも変わらずうまかった。カボチャの煮物は小さい頃に僕のひいおばあちゃんがよく作ってくれて、僕の好物だったものだ。ひいおばあちゃんが「みつ」で妻が「みつこ」なのも何かの縁か。

画像の説明画像の説明変な形のカボチャに目を瞠る俺大きいカボチャ

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2006-10-09 Thanksgiving Day

_ テレパシーは使えないから

今日はカナダの Thanksgiving Day だった。日本では対応する祝日として「勤労感謝の日」があげられるが、日本では勤労感謝の日は他の祝日と差はなく、特に大したお祝いをする習慣もない。一方で、こっちの人は Thanksgiving Day をとても重要だと考えているらしい。Thanksgiving はもともと、アメリカ大陸に渡ってきたピューリタン達が開拓をし最初の作物を得ることが出来たこと、そして一緒に生活を支えてくれた現地の人々(ファーストネイションピープル)への感謝から始められたお祭りだそうだ。それはそれは厳しい生活の中で得られた糧だったことだろう。となればこのお祭がとても重要なものとして伝わってきたことも頷ける。日本の勤労感謝の日も新嘗祭からきているので収穫を感謝する祭ではあるが、勤労という言葉も良くないのか、収穫や自分達を支えてくれる人達に感謝するというニュアンスはどうも感じ取れない。言葉の選び方というのはやはり大事だな。

カナダ人でもさすがに現代ではこの日をそんなに重要視していない人もいるようだが、僕の周りでは実家に帰って家族と過ごす人が多かった。自分の周りにあるもの、周りにいる人に感謝するというのはいい風習だと思う。心で思っているだけではなく、たまに形で表現するというのはいいものだ。僕は大の日本びいきだが、こっちの連中のこういう「形に表す」「言葉にする」というところは見習うべきだなと考えている。日本では「言わなくてもわかる」とか「あえて形にせず、その裏を見抜かせる」といった繊細なやり取りが大事にされてきたわけだが、今のご時勢、それだけでは伝わらないほど透明度が下がっている。送信側も受信側もノイズを消すのにかなり苦労させられる。奥ゆかしさは美徳だが伝わらなければ意味が無い。形にするとか、はっきり言葉にするとかいう方法をうまく日本文化に取り入れて、新しい方法を生み出したいものだ。

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2006-10-27 セミナー

_ ちょっと自信がついたかも

今日はペリメーター研究所で僕がセミナーをした。英語に慣れたとはいえ、1時間以上喋るのはやっぱり緊張する。国際会議やワークショップで英語講演をした経験は10回くらいあるが、それらはどれも15分程度。英語で2時間くらいセミナーをした経験もあるにはあるが、日本でのことだったので参加者のほとんどは日本人で、もし英語に詰まっても誰かが助け舟を出してくれるという安心感があった。しかも、質問されたとしても日本人の話す英語はとっても聞き取りやすいから問題ないのだ。

結果からいうと、セミナーはうまくいった。英語は何の問題もなかった。ただ、物理の内容でちょっと詰めが甘かったところがあり、終わった直後は「うーん、もっと計算しときゃよかったな」という思いもあったのだが、後から教授達や他のポスドク達に「面白かった。」「いいトークだった。」などと言ってもらえ、しかも「いい仕事だ。」とも言ってもらえたので、正直自分ではちょっと驚いた。というのも、僕のやっている仕事は弦理論と相対論の中間のような仕事で、日本ではやっている人があまりいないジャンルなのだ。だからこそうちの研究所に来たのだが、こんなにも受け入れてもらえるとは想像していなかったのだ。これは嬉しい誤算だった。セミナー中にされた質問も、確かに今まではされたことがなかったものが多く、しかも建設的だった。ふむ、どうやらホントにいいセミナーが出来たようだ。ちょっと自信が出てきたぞ。

専門的なことをここに書いても仕方ないかもしれないが、僕もガンガン仕事をしているんだということをたまにはアピールするために質問の内容をちょこっと書いておこう(笑)。パーティーだのクラブだので遊びほうけているわけではないのだ。平日は12時間以上研究所にいるし、週末も土日とも休むことなんて滅多にない。土日とも研究してしまったときは、何となく人として間違っている気はするが。

さて、特に興味深かったコメントは、僕らが扱った非超対称Dブレーン系の不安定性がホーキング輻射とは結びつかないのではないかという指摘である。確かに僕らが扱っている系はゼロ温度に相当していてホーキング輻射はない。では、系が持つ開弦のタキオンモードは、バルクでは一体何の不安定性になっているのか。今扱っている古典解は裸の特異点を持っているので、それが系の不安定性を一手に引き受けている可能性がある。しかしこれを調べるためには系の摂動を計算すればいいのだが、解に特異点がある以上、摂動計算には境界条件の問題がある。もし解に弦のα'補正を入れることが出来て、スムースな解を構成することが出来ればDブレーンサイドの不安定モードとバルクの不安定モードを対応させることが出来ると思うので、これは進めてみたい計算である。補正によってfuzzball 的な解が出てきたらなお面白い。ただし、現在わかっている fuzzball は、曲率特異点を解消するようなものではないので簡単には結びつかないかもしれないが。他にも今扱っている系を動的に拡張する方法についてなど、いくつか役に立ちそうなコメントをもらった。これも進んでみたい方向のひとつだ。

何はともあれ、僕のやりたかった方面の仕事をやっている人がうちの研究所には何人もいるので良かった。はるばるカナダまで来た甲斐があったな。

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