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奮闘記

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2006-09-24 円谷英二

_ 2人目のイタリアン登場

シモーネが帰ってきた。ペリメーターのポスドクで、やたら陽気なイタリアンである。この2ヶ月、仕事だか遊びだかよくわからん理由でヨーロッパに戻っていたのだ。シモーネは最初に僕に会ったとき、

"I know some Japanese. Konnichiwa, Arigato, and Usero." と言った男だ。数多い日本語の中で、なぜ「うせろ」をチョイスしたのかはわからないが、彼がどっかの日本人に「うせろ」と言わせるようなことをしたのだろうと容易に推測される。たったこの一言で彼の人となりと、彼にどんな友達がいるのかわかってしまう。

シモーネは皆に手料理を振舞うのが好きらしく、これまでもよく土曜日にパーティーを開いていた。彼の作るイタリアンはなるほどうまいのだが、以前彼が焼いたパンらしきものは何だかやけに重く固かった。全く膨らんでいなかったのだろう。まだ彼のピザは食べたことがないが、「問題はイーストだ。いかに膨らますかだ」と言っていたから、きっとパンと同じような現象が起きているのだろう。そして別に問題はイースト菌じゃないような気がするのは僕だけだろうか。

昨日のパーティーには、最近ペリメーターのポスドクになったイタリア人、ミケーレもやってきた。ミケーレは僕らの隣の部屋に住んでいて、朝から大音量でダンスミュージックを垂れ流している男だ。普通なら嫌になるかもしれないが、これが僕の好きなジャンルと一致しているので、僕は毎朝「今日もいいの聴いてるなあ」と思っている。何しろこっちのクラブで掛かっているジャンルときたら、実につまらないものばかりなので、僕としてはようやく理解者が現れたことが嬉しい。ミケーレはアメリカでポスドクをやっていたこともあるのだが、その頃にはDJもやっていたそうだ。

ミケーレはやってきてすぐに下ネタを連発していた。僕の個人的な観測によると、カナダやアメリカの連中は下ネタ好きなやつが多い。女の子でもそうだ。しかもどちらかと言うと、日本の中学生が喜ぶようなちょっと幼稚な感じの下ネタが好きみたいだ。その他の笑いにしてもそうで、僕らからするとかなり幼稚なネタで喜ぶやつが多いことは否定できないと思う。ちなみにミケーレの下ネタはあまりにコア過ぎて、女の子達は引いていた。さすがだ。何しろミケーレは初めて会ったとき、「晋平、今度一緒に日本の映画を観よう。俺は日本の映画で気に入ってるのがあるんだ」と言ってきて、僕が「また『AKIRA』 とか『Ghost in Shell』とか日本のアニメでこっちでも有名なやつかな。それともクロサワとかかな」と思っていたら、「『ギニーピッグ』だ」と言って僕を驚かせたやつなのだ。「他にも、『鉄男』も好きだ。あ、『マタンゴ』も良かったな」と言っていた。素晴らしいぞ、ミケーレ。物理屋にあるまじき感じがいいじゃないか。どうやらちょっといっちゃってるのだな、君は。(ちなみに僕はスプラッターは嫌いです。だって怖いから。)

そんな彼だから女の子が着いていけないのも無理なかろう。マタンゴはイタリアで深夜放送されていたと言っていたが、やるなイタリア人。ちなみに、今まで知り合った外国人の中で、ドイツ人とイタリア人に対して特に親近感を感じることが多い。もちろん例外もいるけれど、何となく、そうなのだ。例えていうなら、「味付けの好みが一緒」なのだ。ドイツ人、イタリア人、そして日本人。納得できる気もしてちょっと微妙だ。むろん(?)、一番合わないのがアメリカ人だ。いいアメリカ人もいたのだが、その数の少なさと、嫌なアメリカ人の影響が強過ぎて、どうもいけない。マシなアメリカ人はもうちょっといないものか。これは切なる願いだ。いろんな意味で、「いいアメリカ人」が現れることは重要だ。僕の周りにも、世界レベルでも。マタンゴは理解できなくても勘弁してやるからさ。


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